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月と抜歯とつむじ風 [にっき]

娘に
「かいきげっしょくってこわいのぉ〜?」って
聞かれたkomadamuです。
いえいえ、「怪奇」ではなく「皆既」ですってば。
ご無沙汰してます♪

さて、この間の皆既月食は残念ながら、
見ることはできませんでしたが、「皆既月食」って
なんだか名前からして神秘的で好きです。
次回を楽しみに・・・

で、この日は「皆既月食」とは別に
もう一つ大きなイベントのあった私。
実は先月から治療中だった奥歯を
とうとう抜歯することになり、
その施術日だったのである。

そう、昔っからお医者さん。
特に歯医者さんが大ッ嫌いで、
いや、医師や歯科医の方が嫌いなのではなく、
病院に行くのが大の苦手だった私。
とりわけ歯の治療に関しては
良い思い出がない。

子どもの頃に通った歯医者さんとの
相性が悪かったんでしょうねぇ、
あまりの歯科医嫌いのおかげで、
大人になっても虫歯を放置。
あげくに「治療は不可能」と宣告され
あえなく抜歯とのお達しが下ったのである・・・。

しかしである、ここでまた問題が持ち上がった。
かつて私には抜歯歴が2回あるのだが、
その2回とも抜歯の際の麻酔のせいか
抜歯後に気持ちが悪くなるという
悪癖があった。
他の部分麻酔などでは大丈夫だったので
アレルギーではないのだろうが
もしかして「抜歯アレルギー」なのかもしれない。
大人だからおとなしく
施術台に乗ってるけれど
気持ちが一目散に逃げているんだろうなぁ・・・
いい年して。

で、今回お世話になっていた歯医者さんは
とても優しいし、親切なの方なので、
そんな私の悩みに
「じゃぁ、何か起きても対処できて安心できる
 大学病院で抜いてもらいますか〜」
とおっしゃってくだすった。

・・・かくして私は電車で20分ほどの
大学病院の口腔外科に行くことに・・。
一週間後に予約をいれて、準備万端。
かえって抜歯プレッシャーが
のしかかったような気もするが、
こうなると後には引けない。
後はいかにして「抜歯」の試練を乗り切るかである。

う〜ん。そこで考えた。
緊張にはリラックスで対抗しなければ。
では心を落ち着けるにはどうしたらいいのか。
う〜ん。読書か・・・・
なぜか思い浮かんだ読書・・・
やっぱり待合室では読書だろう。

読書。
そういや最近文庫本を読んでいなかった。
もちろん新書とか雑誌とかは
手に取っていたのだが、
最近めっきり本の購入をインターネットに
たよっていたし、
自宅で仕事をすることが多いから、
通勤途中にお手軽に読める文庫を
購入することもめっきり
減っちゃっていたのだが。

今年の夏夫の実家に帰省した際に
お約束のヴィレッジバンガードに行った。
今回は掘り出し物の雑貨が
見あたらなかったのだが
そのかわり出会ったのがこちらの文庫。

つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)

つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)

  • 作者: 吉田 篤弘
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 文庫

なんとも素敵なタイトルに、
おもわずジャケ買いならぬタイトル買い。

そこで電車に乗って病院へ行く道中、
そして待合室での心の支えに、
この魅力的なタイトルの文庫を
持っていくことにした。

お話は「月船町」にすむ「雨降り先生」と
十字路にある「つむじ風食堂」と
街に住む人々とのお話。
私好みで、のんびりとして
これといった大きな事件もさほどおこらない、
癒し系なお話です。
文庫の厚みの1センチないくらいで、
Gパンのおしりのポケットにも入ってしまう
素敵な本です。

なので、電車でドキドキしながら駅に着くまで、
待合室でドキドキしながら
抜歯を待つ間、
「つむじ風食堂」のことをいろいろ考えてみた。

そうだ!映画にしたら間宮兄弟みたいな
かわいい映画になるかもしれない。
っと天上を走るカルテ運搬箱(正式名称は知らない)を
見上げながらぼんやりキャスティングを考えてみる
(抜歯を忘れるんだ・・・)

雨降り先生には・・・
そうだ!贅沢をして西島秀俊さん。
つむじ風食堂のマスターは。。。
岸辺一徳さん。
姪のサエコさんに麻生久美子さん!!
(抜歯を忘れるんだ・・・)

帽子屋の桜田さんには、
伊東四郎さん(笑うセールスマンみたいに)
売れない女優の奈々津さんには、
常磐貴子さんがいいな。
果物屋の青年に、村上淳さん。
古本屋のおじさんには、松尾スズキさん。
(抜歯を忘れるんだ・・・)

喫茶店タブラの二代目マスター、
タブラさんの息子には、浅野忠信さん。
喫茶店のマスタータブラさんには・・・
段田安則さんなんて素敵だ。
そして古道具やの主人には半海一晃さん
(純情きらりでトランペット吹いてた人ね!)
雨降り先生の手品師のお父さんには、
う〜ん大奮発!で
奥田英二さんなんてどうだろう。

かなり贅沢な映画だなぁ〜。
原作のイメージから離れて、
私の好み一色だしなぁ・・・
う〜ん、いいなぁ・・・
(抜歯を忘れるんだ・・・)

ピンポ〜ン。
「komadamuさん、9番へお入り下さい〜」
「・・・・・・・・」

かくして、一週間の間
私のいたいけな(笑)ハートを
どんよりと曇らせていた重圧は
ものの五分で消えたのである。
そう、麻酔酔いもしないで。

そして小学生の頃から
私の咀嚼の一端を担っていた
かのボロボロになった奥歯は、
別れの挨拶をする暇もなく、
カラ〜ンと音を立てて
ステンレスのトレーに乗せられ
去っていったのだった・・・・

帰り道の電車の中で、
「つむじ風食堂の夜」を無事読み終わった。
なんだかいろいろなことが
終わったみたいな気がして
気分一新!ふ〜っと息をすったら
麻酔がそろそろ切れてきたせいか、
主なき歯茎のあたりにスースーと
こちらは、すきま風がふいた気がした
komadamu でした。
ボロボロにしちゃってゴメンね奥歯・・・

ところで月船町では月食は見えただろうか。
名前からして見えそうなんだけど(笑)

で、こちらも読んでみたい。
月船町のとなり駅の街のお話のようで
気になります。

それからはスープのことばかり考えて暮らした

それからはスープのことばかり考えて暮らした

  • 作者: 吉田 篤弘
  • 出版社/メーカー: 暮しの手帖社
  • 発売日: 2006/08
  • メディア: 単行本


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コメント 6

ポッチ

komadamu さん、こんばんは♪
私も歯医者さん、苦手ですゥ。あの施術台に乗った瞬間から、もうまな板の上の鯉状態。しかも、あの音!もうパクパクすることもできず、フガフガするしかありません。
さて、『つむじ風食堂の夜』、面白そう!てか、私も配役あーだ!こーだ?したーい!です(笑)。こうなったら、私も大学病院へ向かう電車に乗らなきゃ!
『それからはスープのことばかり~』も面白そうですね。でも、私は固いものもボリボリ食べたいなあ・・・って、違うか(笑)。
by ポッチ (2007-08-31 03:00) 

komadamu

*こんばんは!ポッチさん♪
 いやぁ、もう私なんかまな板の上のうなぎ状態でしたよ、ホント。
 もうこれからは奥歯もないのでスープのことばかり考えることに
 なりそうです・・・ちなみに右の上の奥歯がなくなりました(笑)。
 でもって妄想キャスティングプロデューサーごっこ!楽しいですよ〜。
 お好きな小説でひとつ、妄想映画を楽しんでみては♪
 それにしても、あの奥歯をぬぼぉ〜っと抜かれる感覚は二度と味わい
 たくないなぁ。。。(笑)
 
by komadamu (2007-08-31 03:24) 

nicolas

こんばんはー
歯、ダイジョウブですかー??
弟が入院して全身麻酔して親知らず抜いたんですが、あれは悲惨でした・・
歯を抜くってことに敏感です。。。

月食、占星術では自然災害の多い年なんだそうですねー
でも中国では、イノシシ年で月食は財産の増えるトシとか??
どっちなんでしょうか?

歯の飛んでいく絵、最後のリフレインは「またあ~う日まで~」ですか?(笑)
by nicolas (2007-08-31 22:23) 

komadamu

*にこちゃんさん!こんばん歯♪
 幸いなことに、抜いてしまえばもうこっちのもんです(笑)って
 全身麻酔で抜歯とは弟さん、大変でしたねぇ。
 ホント歯を抜くって一大事です。
 にしてもイノシシ年の月食。ぜひ財産の増えるトシであって
 欲しいですぅ〜♪ネ!
 で、宇宙へ旅立っちゃった奥歯くん。
 勿論「またあ〜う日まで~」です。会えないけど(泣笑)
by komadamu (2007-08-31 23:26) 

ご訪問ありがとうございます。
「皆既月食」を知らなくても「怪奇」という言葉を知っているだけでじゅうぶん賢いお子様だと。
歯医者ってどうしても避けたい場所の1つですね、私もいつ抜歯を宣告されるのかと恐れておりますw
by (2007-09-01 08:53) 

komadamu

*やすさん!こんにちは♪こちらこそご訪問ありがとうございます。
 いえ、たまたま以前娘に「かいきげんしょうってなぁに?」と
 聞かれたことがあって説明に苦労したんですけどね♪
 それにしても「私は歯医者が大好きだぁ〜!!」なんて人、
 いるのでしょうか(笑)おおかた皆さん苦手みたいで、私だけじゃ
 ないとホッとしております♪
by komadamu (2007-09-01 11:15) 

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